Fig. 1 Fig. 2
小杉太一、西紘史、松下雄一郎がPITEの枠組みをさらに拡張して、一様外部磁場の存在下での分子系の基底状態を取得する方法についての論文をJapanese Journal of Applied Physics に公開した。https://iopscience.iop.org/article/10.35848/1347-4065/acddc0/pdf
材料または分子への外部磁場の効果の研究はNMRなどの高度な技術の開発と高精度化のために欠かせないものとなっている。しかし多電子効果を採り入れた計算は古典コンピュータ上では小規模なものに限られる。そのような制限の無い量子コンピュータ上の確率的虚数時間発展(PITE)に基づいて第一量子化形式での量子化学計算を行う手法を我々はすでに提案している。
本研究はその枠組みを拡張し、一様外部磁場の存在下での分子系の基底状態を取得する方法を開発した。要求される計算資源の資源見積もりを通じて、各電子に割り当てられる量子ビット数に対して線形な深さを持つ追加回路 Fig. 1 によって磁場の効果を効率的に導入できることを見出した。
Fig. 2 は本手法を閉じ込めポテンシャル内の単一電子に適用したときのシミュレーション結果であり、電流密度を量子ビット測定から取得できることを示している。
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