Quloud(キュラウド)は、
高度な材料計算シミュレーションソフトウェアを、研究チーム全員で気軽に利用できる
クラウド型材料計算プラットフォームです
第一原理計算や分子動力学法計算などの材料シミュレーション技術は、有望な化合物の構造や物質の反応経路等を実験することなく解明でき、素材・化学・創薬・製造などのものづくりの分野で、より良い材料をより効率良く開発するために活用することが期待されています。一方、現在の材料計算ソフトウェアは専門家向けの難易度が高いソフトウェアが多く、また、計算機のハードウェアチューニング・維持・管理も必要となり、材料計算を始めてみたいという研究者の大きなハードルとなっています。
クラウド型材料計算プラットフォーム「Quloud(キュラウド)」はインターネットに接続されたPCブラウザさえあれば、OpenMX、Quantum ESPRESSO、RSDFT、LAMMPSなどの主要なオープンソースソフトウェアや、Quemixが独自開発した磁性材料シミュレーター「Quloud-Mag」をすぐに使い始めることができます。面倒なソフトウェアバージョンアップやハードウェアチューニング作業の手間もなくメンテナンスフリーで気軽に利用できます。サービス利用するユーザー数制限もなく、計算したいテーマがある期間だけ利用することができます。
Quloudは、材料計算を専門に行ってきた研究者に加え、これまで材料計算の経験のない実験担当者でも利用できるクラウド型材料計算プラットフォームのデファクトスタンダードを目指しています。
03
Quemix独自開発計 算ソフトウェアおよび
国内外の主要な計算ソフトウェアを搭載
RSDFT、OpenMX、Quantum ESPRESSOといった国内外の主要な材料計算ソフトウェアや、Quemixが独自開発した磁性材料シミュレーションソフトウェアなどが利用できます。
定期的なバージョンアップにより、搭載する計算ソフトウェアのバリエーションが自動的に追加されていくのもクラウドサービスであるQuloudならではのメリットです。

02
HPC/並列分散処理による大規模計算
Quloudの計算機はアマゾンウェブサービスのハイパフォーマンスコンピューティング技術を使用しています。計算時間のかかる大規模モデルのシミュレーションなどは並列分散処理設定を行うことで、現実的な時間の範囲で計算結果を得ることが可能です。
Quemixでは将来的にQuloudの計算機として量子コンピュータを利用することを視野に、量子アルゴリズムの研究開発を強力に推進しています。

01
初心者からベテラン研究者まで
使いやすい優れたユーザビリティ
モデリング・シミュレーション・解析がシームレスに行えるユーザーインターフェイスで、材料計算の専門家はもちろん、材料計算が不慣れな初心者でも直観的に利用することができます。利用できるユーザー数に制限はありませんので、関係する研究者全員が計算利用や計算結果の共有を行うことができます。Quloudはインターネット接続されたブラウザさえあれば利用できるので、遠隔地にいる研究者間での共同研究が容易です。

初めての人でも分かりやすい優れたGUI
Quloudが選ばれる理由
Quloudで利用できる計算ソフトウェア
Quloudは、RSDFT, OpenMX, PIMD, Quantum ESPRESSO, LAMMPSといった国内外の主要な材料計算ソフトやQuemixオリジナルのシミュレーションソフトウェアがご利用いただけます。
Quloud-MagはQuemixが独自に開発した磁性材料開発・磁性デバイス開発の支援を行う磁性体シミュレーションソフトウェアです。
Quloud-Magの解説記事はこちら
磁性材料シミュレーター
FLARE(Fast Learning of Atomistic Rare Events)
MD計算を実行しながら第一原理計算による教師データを生成、ガウス過程回帰+ベイズ推定による誤差を評価します。作成した原子間ポテンシャルはLAMMPSで利用可能です。
On-the-fly機械学習MDの解説記事はこちら
FLARE
On-the-fly機械学習MD
LAMMPSは米エネルギー省サンディア国立研究所のS. Plimptonらのグループにより開発された古典分子動力学(MD)計算プログラムです。
LAMMPS
古典分子動力学計算
Quantum ESPRESSOは世界的に利用されているオープンソースの第一原理計算シミュレーションソフトの定番です。
Quantum ESPRESSO
原子レベルからの物質の第一原理シミュレーションを実行するためのオープンソフトウェアパッケージです。
OpenMX
物質が存在する空間を離散化して数値計算を行う大規模並列計算を可能にしたシミュレーションソフトウェアです。
RSDFT
第一原理電子状態計算
全エネルギー
電子状態SCF計算
構造最適化計算
格子定数最適化計算
化学反応障壁計算
第一原理分子動力学計算
電子バンド構造計算
電子状態密度計算
原子構造可視化
バルク結晶および点欠陥モデリング
バンド構造可視化
状態密度可視化
表面スラブモデル作成
水素終端
原子拘束
初期スピン配置
利用可能なモデル作成機能、計算機能、解析・可視化機能
波動関数および電子密度*¹ 可視化
Brillouin Zone*² 可視化
分子動力学アニメーション
一様電場*³ 印加
荷電状態補正
凝集エネルギー計算
形成エネルギー計算
平衡状態図計算
古典分子動力学計算
動径分布関数
拡散係数
結晶構造データベース連携
分子構造データベース連携
界面構造モデリング
セル形状変換
*¹ ボリュームデータ / *² サンプルk点およびバンド経路 / *³ saw-tooth型
機能紹介

原子構造データ検索/ファイルアップロード
材料計算あるいはモデリングを開始するには元となる原子構造を用意する必要があります。Quloudでは、外部データベースによる結晶構造(Materials Project)および分子構造(PubChem)の検索、主要なフォーマットに対応した原子構造ファイルのアップロードにより、これらを用意することが可能です。

計算ソフトウェアの選択
Quloudでは、第一原理計算や古典MD、機械学習MDなど、様々な材料計算ソフトが利用可能で、一つのモデルに対して複数の第一原理計算ソフトで比較を行ったり、得られた計算結果を引き継いで全く別のシミュレーションを実行したりということが気軽に行えます。

原子構造モデリング①
結晶は、理想的には小さな基単位構造の繰り返しとして表せますが、現実の材料では必ず、繰り返しパターンを壊す「欠陥」や「不純物」が入ってきます。Quloudでは、結晶のスーパーセルモデルを作成し、欠陥や不純物が導入されたモデルを作成する機能を備えています。

原子構造モデリング②
現実的な材料に対するモデルとして、表面および界面のモデルも非常に重要である。ユーザーが手作業でこれらを作成するのは容易ではないが、Quloudでは、GUIによる直感的な物理量の設定のみで、表面および界面モデルを作成することが可能である。

原子構造モデリング③
Quloudでは、結晶構造だけでなく、分子構造のデータを扱うこともできる。これにより、例えば孤立分子の構造からスーパーセルモデルを作成したり、結晶あるいは表面モデルに分子を導入するといったことを容易に行うことができる。

計算結果のビジュアリゼーション①
シミュレーション結果を表やファイルとして得られることはもちろん、グラフその他の可視化手法により、ブラウザ上でただちに結果を確認することもできます。

計算結果のビジュアリゼーション②
分子動力学シミュレーションのように、時間発展する計算を実行する場合は、その結果をアニメーションとして可視化することも可能です。
