弊社の立木馨大(現在は京大)、西谷侑将、岩田潤一、松下雄一郎による、Quloud-RSDFTを用いたSiC-MOSパワーデバイスの新構造の提案の論文がJapanese Journal of Applied Physics, 62 061005(2023) に発表されました。
本研究では、Quloudに実装されたRSDFTの第一原理計算を用いて、SiC/SiO2界面のSiCサイドにおける高濃度の窒素層が電子状態に及ぼす影響を調査しました。高濃度の窒素ドープ層がSiC表面から数nm領域に導入された場合に、電子キャリア分布がどのように変化するかを調べました。
その結果、4nm以上の高濃度窒素層を界面に挟んだ新構造を用いることにより、SiC-MOSデバイスの性能を大きく改善することを理論的に提案いたしました。今回の計算は、Quloud-RSDFTの特徴である、巨大系の第一原理電子状態計算、電場下でのシミュレーション、ドーピングを扱う仮想結晶近似(VCA)を用いることにより実現されました。
Comments