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第一原理計算とモンテカルロ・シミュレーションを組み合わせて、中心対称の格子を持つ菱面体MX3 van der Waals 材料の磁気特性の研究結果の論文をScripta Materiaに発表しました。



QuemixのHung Ba Tranと松下雄一郎が"Skyrmions in van der Waals centrosymmetric materials with Dzyaloshinskii–Moriya interactions"と題する論文をScripta Materialiaに発表しました。


概要:

非中心対称材料において、Dzyaloshinskii-Moriya 相互作用(ジャロシンスキー-守谷相互作用(DM相互作用・DMI)によってスキルミオンが現れることがあります。この研究では、van der Waals (ファンデルワールス) 材料の中で(M: V, Cr, Mn, Fe; X: Cl, Br, I)中心対称の格子を持つ菱面体MX3における磁気特性を、第一原理計算とモンテカルロ・シミュレーションを組み合わせて調査しました。

研究からは、MX3において層内の第2近接サイト間で作用するDzyaloshinskii-Moriya ベクトルがゼロでなく、大きいことが明らかになりました。この大きなDMIは、スキルミオンと呼ばれるナノスケールの磁気渦を引き起こす要因となります。具体的には、CrCl3とVCl3では従来型のスキルミオン、FeCl3では反強磁性のスキルミオン、MnCl3ではメロンが観察されました。

さらに、CrCl3とVCl3のスキルミオンは異なるヘリシティを持っており、MX3材料において電子やホールのドーピングによってヘリシティの制御が可能である可能性が示唆されています。van der Waals (ファンデルワールス)材料は、ヘテロ構造やヘリシティ構造において高い自由度を持ち、スキルミオン研究において有望な材料とされています。


効率的で網羅的な材料探索を可能にすることで知られている、Quloud-Mag - 磁性材料シミュレーションソフトウエア- は、第一原理的に温度と外部磁場下における磁性材料の相図の計算をすることができます。今回、積層2次元物質MX3において、相図を計算し、スキルミオン相が出現していることを理論計算から提案することに成功しました。

Quloud-Magは今後も材料開発への貢献を進め、発展し続けることをお約束いたします。


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