真の量子最適化を実行できるのが特長の一つである、PITE®️(確率的虚時間発展法・Probabilistic Imaginary-Time Evolution)は、本格的な量子コンピュータ時代を見据えたアルゴリズムです。使用者により導入される変分回路が、想定する範囲内でしか量子状態を最適化できない変分量子アルゴリズム(VQA)とは異なります。
PITE®️の有望な適用分野の一つは量子化学計算であり、特に構造最適化です。
複数の候補分子の中から最適構造を見出す計算をPITE®️ならば古典コンピュータよりも効率的に実行できることは、すでに論文で発表されています。
Kosugi et al., https://arxiv.org/pdf/2210.09883
Nishi et al., https://arxiv.org/abs/2308.03605
複数の候補構造を含む量子ビットの重ね合わせ状態を初期状態とし、PITE計算を通じて最適な構造の比率を増加させていきます。最終的に、最も比率が高い状態を測定することで最適な構造を見つけることができます。この手法は古典コンピュータでは実現困難であり、量子コンピュータでのみ効率的に実行が可能となります。
PITE®️は一般的な手法であるため量子化学以外の分野への応用も可能です。
近い将来に訪れる本格的な量子コンピュータ時代における標準的な技術として、PITE®️は重大な役割を担っていると言えます。
QuemixではPITE®️が産業界に貢献できるものと確信しています。PITE®️を使った共同研究にご興味のある企業・アカデミアの方はこちらから:https://www.quemix.com/contact
PITE®️についての解説記事はこちらから:https://www.quemix.com/notes005
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